English Cheese

イギリス料理、イギリス食でおもてなし

「イギリスチーズってどんなものですか?」と聞かれれば、当然の如く、時間が許す限り永遠と語りながらお答えできます。けれど、「イギリス料理ってどんなものですか?」と聞かれると、即座に明確にお答えするのは難しいものです。日本料理、フランス料理やイタリア料理に比べると、イギリス料理に関しては、情報が非常に少ないのがその理由の一つ。「アフタヌーンティー」関連の情報はたくさんあるのですが、「アフタヌーンティー」は、お料理というよりは習慣。「イギリス料理、イギリス食文化とは?」というのはきっと、個人的な人生の永遠のテーマになりそうな気配。拙著「とっておきのイギリスチーズ」製作時から、「イギリス料理」なるものについて改めて考えさせられる機会が増え、「イギリス料理」なるものの正体が少しずつ見えてきました。これまた、なかなか奥深い世界であり知的好奇心をくすぐられます。イギリスというお国柄、歴史がしっかり絡んできますし。それはさておき、今回、またしてもイギリス料理や食について考える機会があったこともあり、まずはイギリス料理、イギリスだから美味しいものとは??の一部をご紹介。

ウェンズリーデールとフルム・ダンベール – チーズ作りの伝播

「チーズ目線で見るヨークシャー、ランカシャーの旅」の続き。現在のフランス、ノルマンディー地方からノルマン人がブリテン島に侵入し、ブリテン島を征服した1066年のノルマンコンクエストは、イギリスとフランスの交流が盛んになるきっかけとなった出来事。当時、中央ヨーロッパでは、ローマキリスト教会による修道院制が急速に広がっていた時代でもあり、中央フランスあたりから修道士さんがヨークシャーにやってきて修道院を造り、定住(なぜヨークシャー??)。その名残がRievaulx Abbey やJervaulx Abbey。今でも歴史遺産として大切に保護されているので、この地域を訪れる機会があれば、立ち寄ってみる価値あり。自給自足の生活を営んでいた修道院ではビールやチーズ作りの技術が発達。であればこそ、当然、チーズ作りにおいても、英仏の交流はあったことは容易に想像できます。実際に英仏両国のチーズ博物館を訪ねて、見えてきたこと・・・

イギリスチーズ目線で見るヨークシャー、ランカシャーの旅

新型コロナウィルス、パンデミックの出口が少し見えてきたとはいえ、気楽なヨーロッパ旅行、日本帰省はまだまだ夢物語のような気がする2021年の夏。状況をポジティブに捉え、これを機に、改めてイギリス国内に目を向け、イギリス伝統チーズの原点地の一つ、ヨークシャー、ランカシャーをじっくり巡ってみました。まさに大人の修学旅行?ヨークシャー、ランカシャーといえば、チーズ原産地というだけでなく、ビクトリア時代、つまり産業革命期は特に栄えた地域。その名残はしっかりとあり、食文化も高く、景色、文化、食、期待以上に楽しめます。ということで、今回は、チーズ視線の観光案内風、旅行記。

Cheese Dishes – Lost in Translation / アンティーク チーズディッシュから垣間見えるイギリスの歴史

イギリスをはじめヨーロッパで暮らす楽しみの一つ、アンティーク 。ロンドンだけでなく、地方の町、村には必ずといっていいほど、アンティークショップがあります。もちろん、アンティークのマーケットも各地で定期的に開かれています。我が家のご近所にも割と大きめのアンティークセンターがあり(といっても、イギリス田舎暮らしなので、車で5分以内であれば、ご近所と勝手に定義付けています)。息抜きでふらりと立ち寄ることもしばしば。頭がちょっと昔へタイムスリップできる空間なので、心の休憩にもなります。カフェもありますし。こういったところで、必ずといっていいほど見かけるのが現代語で言えば、”Cheese Dome – チーズドーム” 、ちょっと昔の伝統的な言葉であれば、”Cheese Dish – チーズ皿”。ということで、チーズグッズから見えるヨーロッパの歴史とちょっとしたチーズ史のお話。