英国産チーズ輸出拡大プログラム

出発地点は、「英国産チーズとは??」を分かりやすく説明すること。そして・・・・事前打ち合わせでまず気づいたことは・・・英国チーズ =「チェダー」と「スティルトン」 というイメージが定着しすぎていることなのです。そして、日の沈まぬ国、大英帝国のイメージゆえに「チェダー」が世界に広まったのは、大英帝国のためであるという固定観念。いや、確かにその影響もありますが、そもそもチェダーとは?世界に広まった大きな理由は、歴史を紐解けば、「チェダー」は利便性に優れているからなのです。だからこそ、戦時中は、英国本国では、「Government Cheddar -政府指定のチェダー」のみが生産されたのです。あえて「チェダー」という名前は保護されていないからこそ、世界で作られるようになり、「チェダー風のチーズ」には、みんなが「チェダー」という商品名をつけたのです。それは、「カマンベール」や「モッツアレラ」だって同じですよね。そして、今回、新たに学んだ事実は英国産チーズで輸出量が多いのは、トップはもちろん「チェダー」ですが、二番目に多いのは「モッツアレラ」。もはや、「モッツアレラ」も国籍なきチーズ。確かに・・・英国内のスーパーには英国産モッツアレラが並んでいます。英国から輸出されるチーズのなんと23%が「モッツァレラ」!(2022年統計)しかも、発祥国であるイタリアへも英国産「モッツアレラ」が輸出されているという事実に驚きます。
では、実際に、英国産チーズって他にどんなチーズがあるのか?「ランカシャー」も「レスター」も「ウェンズリーデイル」も、みなさんなんとなくイメージはつくけれど・・・外観が「チェダー」に似ているせいか??チェダーの一種と思っている人が沢山いらっしゃるということ!まぁ、その気持ち、分からなくもないです。食べてみたことがなければ、同じに見えてしまうかもですよね。そして、まさにここがポイントで・・・英国が誇るべき、伝統チーズたち(時にテリトリアルチーズと呼ばれるもの)は、日本にほとんど輸出されていないのです。量産スタイルが沢山あるにも関わらず・・・だから日本の皆様がご存知なくても当然なのです。チェダーとは全く違います。だからこそ、楽しみ方も全く違うのです。言ってみれば、ご当地チーズ。英国という国の特徴を一番表現するチーズ達なのですが!英国産モッツアレラよりも、もっとこれらのチーズの良さを日本の人にも知っていただきたいなぁとふと思いました。

確かに一見、アルチザンスタイルでも、量産スタイルでも、全部似ています。そして、全部が「チェダー」の一種となってしまうのでしょうね。それだけ、「チェダー」が世界で定着しているのでしょう。

逆に、最近日本でも徐々に知られてきているようになっているのが、英国産モダンアルチザンチーズたち。正直に言えば、チーズにも色々なグレイドがある中で一番高価なチーズ達です!なぜ知られているのか?それは、ここ数年、定期的に日本へ輸出されているからなのです。食べてみて、その特徴を知り、そしてみなさんファンになっていく。過去にデパート催事での英国産チーズ販売に参加したことがありますが、「ロールライト」や「バロンバイゴッド」といったモダンチーズたちには固定ファンがついていることにとても驚いた記憶があります。

さて、今週は、日本で上質なヨーロッパ産チーズを販売していることで知られる、Lammas チーズ専門店様の「イギリスチーズテイスティング会」に登壇させていただきます。2023年に新しく、日本に輸出されはじめた英国産チーズ(モダンチーズ)のテイスティングを純粋に楽しむ会です。食べて知る、英国産チーズの特徴!日本在住の皆様、今ならまだお申し込みできますよ。英国産チーズを5種も一気にテイスティングできる、またとないチャンスです。詳細はこちら。まずは、食べて知る、英国の味。チーズを通して、英国という国そのものの魅力をお伝えする予定です!