What’s in Season

Quince Membrillo Marmelada or Kaseita – クインス古今東西

10月、イギリスは大学の新年度が始まる月。ワクワクした大学新入生たち。そして想定内のコロナ第二波。すでに地域によっては完全ロックダウン。ロックダウンとまではいかなくても、国全体、かなりの制限付き生活。就学児童を抱えるご家庭は、10月ハーフターム中のおうちアクティビティに頭を捻ることになりそうです。というわけで、おこもり生活のアクティビティの一案になればとも思い、今回は10月に旬を迎えるクインス(日本でいうマルメロまたは西洋かりん)のお話。活用法(つまりレシピ)、大人にもちょっと嬉しい食文化伝播のお話などなど(次ページへ)。チェダーチーズや、羊乳のハードチーズ、さらにはブルーチーズと相性が良いことから、チーズ専門店なら絶対に取り扱っているクインスゼリーやペースト。陳列されたチーズの横にひっそりと置いてある、オレンジ色の羊羹のようなもの。それがクインスペーストまたはクインスジャムです(日本では「メンブリージョ」)。保存食と言う意味で、イギリスではクインスチーズと呼ばれることもあります。「チーズ」という言葉に保存食というニュアンスがあるためだとか・・・スーパーのチーズカウンターにも置いてあることも多々。クインスはワインと同じくコーカサス地方(黒海とカスピ海に挟まれた地域)を発祥とし、地中海を経由し、西はヨーロッパ、そして東にも広がり、日本へは16世紀に、ポルトガルから九州の長崎へ伝わったそうです。つまり、スペイン、ポルトガルが強国だった大航海時代。マルメロは、鉄砲と一緒に日本へやってきたの?と思ってしまいますよね。

Summer Cheese Arrangement – ヒートウェーブがやってくる

8月に入り、ちょっと気温低めのイギリスですが、数日後、週末に合わせたかのように、次のヒートウェーブがやってきそうな気配。どうやら、今年の夏のヒートウェーブはプチバージョンがチラリ、チラリ。せっかくの夏日。シンプルに涼しく、美味しく、ヘルシーに!夏向けチーズアレンジ、次ページにまとめてみました。気温が下がっている今は想像しにくいですが、暑い週末になりそうです。これが最後のイングリッシュサマーかも??100%楽しみたいですね。

Broad Beans and Ewes Milk Cheese – 空豆と羊乳チーズ

日本では春、イギリスでは初夏(6月下旬〜7月上旬)に旬を迎える、おいしいお野菜、そら豆(英語ではBroad Beans)。イギリスでもそら豆がたくさん生産されているということは、まだまだ知られざる「おいしいイギリス」的事実。日本(アジア)のお野菜と思っていらっしゃる方々もいらっしゃるくらいに、日本人大好きなお野菜。実は、イギリスの地方には、そら豆畑がたくさん(笑)。かつては、子連れでそら豆狩りに出かけていました。そして、そら豆畑へ行くと、必ずお見かけするのが、イタリア人グループ。そうそう、イタリアのお方もそら豆が大好き。そして、この方たちは生で召し上がられる!!畑で採ったそら豆をその場でサヤから出して、パクリとお口へ!初めて見た時はびっくり。真似してみましたが、「??????」となった良き思い出もあります。そう、イタリアのそら豆は小振りで生で食べても美味しいらしいのです。そして、イタリアでのそら豆にペコリーノチーズ(イタリアの羊乳チーズ)を削りかけて食すというのは、すでに日本ではよく知られたチーズ豆知識。実は、イギリスにも羊乳チーズはたくさん(詳細はこちら)。というわけで、イギリスチーズとイギリス産そら豆で、イタリア風にチーズをシンプルに楽しむアイディアのご紹介。ビールやキリッとした冷えた白ワインのおともに(次ページ)どうぞ!

Perilla Shiso & Cheese – Summer Cheese Dish with a Japanese Twist

6月末、イギリス、ヒートウェーブ第一波。30℃越えが数日続いております。日本の夏に比べると、30℃くらいで!と思いたくなるのですが、まだまだ一般家庭にエアコンは普及していないのです。この気温がずっと続くわけでもないので、ヒートウェーブが来ているときは、ただひたすら耐えるのみ!こんな時においしいのがさっぱりフレッシュチーズ。そして活躍するハーブはといえば、日本人の魂ともいえる紫蘇!海外生活が長くなってくると、日本人のほとんどの方々が自家栽培に走るくらいに、日本人にとっては大切な葉っぱ。和食材全般が流行っているイギリスでは、近年、紫蘇の種どころか、苗までもネットで購入できてしまいます。密かに、紫蘇とフレッシュチーズって相性が良いなぁと思いながら、イギリスの田舎で数年過ごしてきました。そして、去年の5月に日本へ帰省した際、お邪魔させていただいた、由布院工房さんで出会ったチーズが上の写真(↑)なっち!!由布院チーズ工房さんのチーズラインナップはこちら。なっちに出会った時の、感動は去年のインスタポストへ → こちら。今回はチーズを和風に紫蘇ベースでアレンジしたものいくつかをご紹介。単純に過去の写真から色々と抜粋しただけですが、皆さんのイギリスの夏の楽しみの参考になると嬉しいです。

English Strawberry & Dairy – イギリス苺と乳製品

本日は夏至。イギリス生活も長くなってくると、夏至ってとても大切な、特別な日。今日は日が最も長い日。つまり、明日から、暗黒(!!?)の冬へと向かって、日は短くなっていくのです。ロックダウンもどんどん緩和されてきた今日この頃、一番明るい6月を満喫せねば!という気持ちがいつにも増して強いような気がします。イギリスの6月といえば、通常であればウィンブルドン(コロナ禍でまさかの中止!)。ウィンブルドンといえば、イチゴ!6月はイチゴシーズンのピーク。そう、イギリスはイチゴがとても美味しいお国。イチゴに限らず、イギリスは様々なベリー系フルーツがとても豊富なお国柄。イチゴに続き、グーズベリー(スグリ)、カラント系、ラズベリー、ブラックベリー。これらがマーケットを賑わせてくれます。今回は、イチゴと乳製品について。アスパラガスシリーズに続き(お料理アイディはこちら)、イチゴとチーズ!といきたいところですが、イチゴはバターやクリーム系とは相性抜群なのですが、熟成チーズとはなかなか難しいのです。クリーム添加スタイルの熟成チーズ、ブリアサヴァランやデリスドブルゴーニュなどとイチゴ、そしてスパークリングワインの組み合わせは幸せな時間を生み出してくれますよ。昨今のイギリス産スパークリングワインの質はすでにご周知の通り。今回は、イギリス田舎で暮らす日本人とイチゴと乳製品の関係についてご紹介。6月のイギリス生活を楽しむヒントになれば嬉しいです。