British Heritage Cheese Dish

コロナとクリスマスとニューライフ

12月の第一土曜日。この日は、毎年当然のように、一年の〆としてロンドンでクリスマスチーズ会を開催していました。もはや、そんなことができていた事実さえ、ちょっと信じ難いと感じる2020年の12月第一土曜日。2016年から、毎年開催していたチーズクリスマス会を開催できないのは、やはり寂しさを感じてしまいます。とはいっても、2回のロックダウンを乗り越えた(??)イギリスは社会が新機能で動き出し、ちょっとしたワクワク感があるのも事実。いやいや、すぐにやってくる、EU離脱(実はコロナよりこちらの方が恐怖・・・)。世界が一変してしまった2020年の12月の第一土曜日。クリスマスチーズ会を開催する代わりに、この場で2020年という年そのもの、そして、これまでのクリスマスチーズ会に対する思いを巡らせてみました。クリスマス時に好評をいただいていたCulture & Culture のクリスマスフルーツケーキもレシピ公開(本記事末尾)!今年もクリスマスチーズ会のためにフルーツケーキを焼きたかったなぁというのが本音ではあるのですが・・・

Quince Membrillo Marmelada or Kaseita – クインス古今東西

10月、イギリスは大学の新年度が始まる月。ワクワクした大学新入生たち。そして想定内のコロナ第二波。すでに地域によっては完全ロックダウン。ロックダウンとまではいかなくても、国全体、かなりの制限付き生活。就学児童を抱えるご家庭は、10月ハーフターム中のおうちアクティビティに頭を捻ることになりそうです。というわけで、おこもり生活のアクティビティの一案になればとも思い、今回は10月に旬を迎えるクインス(日本でいうマルメロまたは西洋かりん)のお話。活用法(つまりレシピ)、大人にもちょっと嬉しい食文化伝播のお話などなど(次ページへ)。チェダーチーズや、羊乳のハードチーズ、さらにはブルーチーズと相性が良いことから、チーズ専門店なら絶対に取り扱っているクインスゼリーやペースト。陳列されたチーズの横にひっそりと置いてある、オレンジ色の羊羹のようなもの。それがクインスペーストまたはクインスジャムです(日本では「メンブリージョ」)。保存食と言う意味で、イギリスではクインスチーズと呼ばれることもあります。「チーズ」という言葉に保存食というニュアンスがあるためだとか・・・スーパーのチーズカウンターにも置いてあることも多々。クインスはワインと同じくコーカサス地方(黒海とカスピ海に挟まれた地域)を発祥とし、地中海を経由し、西はヨーロッパ、そして東にも広がり、日本へは16世紀に、ポルトガルから九州の長崎へ伝わったそうです。つまり、スペイン、ポルトガルが強国だった大航海時代。マルメロは、鉄砲と一緒に日本へやってきたの?と思ってしまいますよね。

Cheese Dishes – Lost in Translation / アンティーク チーズディッシュから垣間見えるイギリスの歴史

イギリスをはじめヨーロッパで暮らす楽しみの一つ、アンティーク 。ロンドンだけでなく、地方の町、村には必ずといっていいほど、アンティークショップがあります。もちろん、アンティークのマーケットも各地で定期的に開かれています。我が家のご近所にも割と大きめのアンティークセンターがあり(といっても、イギリス田舎暮らしなので、車で5分以内であれば、ご近所と勝手に定義付けています)。息抜きでふらりと立ち寄ることもしばしば。頭がちょっと昔へタイムスリップできる空間なので、心の休憩にもなります。カフェもありますし。こういったところで、必ずといっていいほど見かけるのが現代語で言えば、”Cheese Dome – チーズドーム” 、ちょっと昔の伝統的な言葉であれば、”Cheese Dish – チーズ皿”。ということで、チーズグッズから見えるヨーロッパの歴史とちょっとしたチーズ史のお話。

English Plums & Apples – What is Chutney? / チャツネとは?作り方、そしてそこから見えるヨーロッパ史

イギリス田舎暮らしも、丸8年。本当は(!!?)おいしいイギリスを楽しむ(努力をする!)ライフも随分と板についてきた気がします。イギリスで暮らし始めて、すぐに気づくことといえば・・・お野菜やフルーツの味わいの力強さ。そして、その豊さ。リンゴを筆頭に、晩夏、初秋に旬を迎える土着モノは本当に多く、イギリスの地方では、来るべき暗黒の秋冬に備えるべく、この自然の豊さをジャムやチャツネという形で保存食にする習慣があります。イギリスには土着のリンゴの種類は200種ほどあると推測され、プラム系の種類も多々。イギリスチーズといえば、チャツネということで、この季節、当然のようにチャツネを作っていますが、今回はたまたまその様子をSNSのストーリーに上げたら、いろんなお問い合わせをいただきました。コロナ禍で、皆さん、ソーシャルメディア、よくチェックしているのかな?イギリスではチーズ専門店、スーパーなどで必ず見かけるチャツネ。そういえば、数年前に東京でチャツネ作りのクラスもやった記憶が・・・日本の皆さん、意外とチャツネに興味あり?というわけで、イギリスの秋の味覚とチャツネ、そしてそこから垣間見えるヨーロッパの歴史・・・さらにレシピまでまとめて解説!

Broad Beans and Ewes Milk Cheese – 空豆と羊乳チーズ

日本では春、イギリスでは初夏(6月下旬〜7月上旬)に旬を迎える、おいしいお野菜、そら豆(英語ではBroad Beans)。イギリスでもそら豆がたくさん生産されているということは、まだまだ知られざる「おいしいイギリス」的事実。日本(アジア)のお野菜と思っていらっしゃる方々もいらっしゃるくらいに、日本人大好きなお野菜。実は、イギリスの地方には、そら豆畑がたくさん(笑)。かつては、子連れでそら豆狩りに出かけていました。そして、そら豆畑へ行くと、必ずお見かけするのが、イタリア人グループ。そうそう、イタリアのお方もそら豆が大好き。そして、この方たちは生で召し上がられる!!畑で採ったそら豆をその場でサヤから出して、パクリとお口へ!初めて見た時はびっくり。真似してみましたが、「??????」となった良き思い出もあります。そう、イタリアのそら豆は小振りで生で食べても美味しいらしいのです。そして、イタリアでのそら豆にペコリーノチーズ(イタリアの羊乳チーズ)を削りかけて食すというのは、すでに日本ではよく知られたチーズ豆知識。実は、イギリスにも羊乳チーズはたくさん(詳細はこちら)。というわけで、イギリスチーズとイギリス産そら豆で、イタリア風にチーズをシンプルに楽しむアイディアのご紹介。ビールやキリッとした冷えた白ワインのおともに(次ページ)どうぞ!