British Heritage Cheese Dish

イースター(復活祭)とチーズ

本日は3月も最終日。日本は明日から新年度。2023年、イギリスもちょうど明日、4月1日よりイースター(復活祭)ホリデーシーズン。キリストの降誕を祝うものがクリスマスで、十字架に磔にされたキリストの死からの復活を祝うのがイースター。クリスマスは毎年12月25日ですが、イースターは基本、春分の日の後の最初の満月の直後の日曜日。つまり、毎年、日にちは変わります。直前の金曜日と翌日の月曜日が祝日となり、さらに学校の春休みもこれに合わせて決められるので、国全体がホリデーシーズンとなります。イギリスではクリスマスの次に大切なシーズン。そしてキリスト教徒でなくとも、春の訪れと生命の誕生を祝う嬉しい時期でもあります。やっと、やっと、暗黒期から脱出!!クリスマス同様、家族行事も集中するため、チーズ業界はクリスマスに次ぐ商戦期。クリスマスがブルースティルトンなら、イースターはどのチーズ??ちょっと考えてみました。

イギリス料理、イギリス食でおもてなし

「イギリスチーズってどんなものですか?」と聞かれれば、当然の如く、時間が許す限り永遠と語りながらお答えできます。けれど、「イギリス料理ってどんなものですか?」と聞かれると、即座に明確にお答えするのは難しいものです。日本料理、フランス料理やイタリア料理に比べると、イギリス料理に関しては、情報が非常に少ないのがその理由の一つ。「アフタヌーンティー」関連の情報はたくさんあるのですが、「アフタヌーンティー」は、お料理というよりは習慣。「イギリス料理、イギリス食文化とは?」というのはきっと、個人的な人生の永遠のテーマになりそうな気配。拙著「とっておきのイギリスチーズ」製作時から、「イギリス料理」なるものについて改めて考えさせられる機会が増え、「イギリス料理」なるものの正体が少しずつ見えてきました。これまた、なかなか奥深い世界であり知的好奇心をくすぐられます。イギリスというお国柄、歴史がしっかり絡んできますし。それはさておき、今回、またしてもイギリス料理や食について考える機会があったこともあり、まずはイギリス料理、イギリスだから美味しいものとは??の一部をご紹介。

「とっておきのイギリスチーズ」刊行から一年

月日が経つのは恐ろしく速いもの!10月15日は、「とっておきのイギリスチーズ」発刊記念日!ちょうど1年経ちました。ご購読いただいた皆様、イギリスチーズ楽しんでいますか?さて、この丸1年という節目を迎え、気持ちを新たにすべく、本の制作のために入手準備したプレートたちを手放すこととしました。ロックダウンという厳しい状況の中、何とか、本のイメージに合うように・・・と頑張って入手したプレートたちがほとんどで、それなりに思い入れがあります。ですので、できればイギリスチーズを楽しんでくださっている皆様のお手元に届くと嬉しいなぁと思い、今日のこの日、まずはCulture & Culture の講座やイベントに参加されたことのある方に優先に安価なお値段で販売いたします(大変申し訳ないのですが、日本への発送の場合は別途郵送実費をご負担いただきます)。また、早い者勝ち!!ですが、在英の皆様を優先させていただくこと、ご了承くださいませ。ゆくゆくは某Bayさんにリスティング予定です。

コロナとクリスマスとニューライフ

12月の第一土曜日。この日は、毎年当然のように、一年の〆としてロンドンでクリスマスチーズ会を開催していました。もはや、そんなことができていた事実さえ、ちょっと信じ難いと感じる2020年の12月第一土曜日。2016年から、毎年開催していたチーズクリスマス会を開催できないのは、やはり寂しさを感じてしまいます。とはいっても、2回のロックダウンを乗り越えた(??)イギリスは社会が新機能で動き出し、ちょっとしたワクワク感があるのも事実。いやいや、すぐにやってくる、EU離脱(実はコロナよりこちらの方が恐怖・・・)。世界が一変してしまった2020年の12月の第一土曜日。クリスマスチーズ会を開催する代わりに、この場で2020年という年そのもの、そして、これまでのクリスマスチーズ会に対する思いを巡らせてみました。クリスマス時に好評をいただいていたCulture & Culture のクリスマスフルーツケーキもレシピ公開(本記事末尾)!今年もクリスマスチーズ会のためにフルーツケーキを焼きたかったなぁというのが本音ではあるのですが・・・

Quince Membrillo Marmelada or Kaseita – クインス古今東西

10月、イギリスは大学の新年度が始まる月。ワクワクした大学新入生たち。そして想定内のコロナ第二波。すでに地域によっては完全ロックダウン。ロックダウンとまではいかなくても、国全体、かなりの制限付き生活。就学児童を抱えるご家庭は、10月ハーフターム中のおうちアクティビティに頭を捻ることになりそうです。というわけで、おこもり生活のアクティビティの一案になればとも思い、今回は10月に旬を迎えるクインス(日本でいうマルメロまたは西洋かりん)のお話。活用法(つまりレシピ)、大人にもちょっと嬉しい食文化伝播のお話などなど(次ページへ)。チェダーチーズや、羊乳のハードチーズ、さらにはブルーチーズと相性が良いことから、チーズ専門店なら絶対に取り扱っているクインスゼリーやペースト。陳列されたチーズの横にひっそりと置いてある、オレンジ色の羊羹のようなもの。それがクインスペーストまたはクインスジャムです(日本では「メンブリージョ」)。保存食と言う意味で、イギリスではクインスチーズと呼ばれることもあります。「チーズ」という言葉に保存食というニュアンスがあるためだとか・・・スーパーのチーズカウンターにも置いてあることも多々。クインスはワインと同じくコーカサス地方(黒海とカスピ海に挟まれた地域)を発祥とし、地中海を経由し、西はヨーロッパ、そして東にも広がり、日本へは16世紀に、ポルトガルから九州の長崎へ伝わったそうです。つまり、スペイン、ポルトガルが強国だった大航海時代。マルメロは、鉄砲と一緒に日本へやってきたの?と思ってしまいますよね。