ウェンズリーデールとフルム・ダンベール – チーズ作りの伝播

2019年の晩秋、オーヴェルニュ地方のアンベールという町を訪ねました。日本で大人気、フランスチーズの中でも有名な、フルム・ダンベールという青カビチーズの原産地(Fourme d’Ambert: 直訳すると、アンベールのフォルム。フォルムは「型」という意味)。そして、2021年の晩夏にヨークシャーとランカシャーにまたがるウェンズリーデールズも訪ねました。名前もそのまま、「ウェンズリーデール」という伝統的なイギリスチーズの産地。アンベール、ウェンズリーデールズ、ともにチーズ博物館があります。この英仏のチーズ博物館を比べてみると・・・

(左)ヨークシャー、(右)アンベール ともに、昔からチーズを作りながらバターも作っていたことが伺えるものが展示してあります。

(左)ヨークシャー、(右)アンベール チーズの型、チーズの形やサイズが似ている??

(左)ヨークシャー、(右)アンベール 博物館内のチーズ説明掲示板から伺える事実・・・フランスもイギリスも、チーズ作りは農家の女性の仕事だったこと!19世紀あたりまでは、チーズ作りの技術は女性の手にあったのですよ!

(左)ウェンズリーデールチーズビジターセンター内にはご当地名物、フルーツケーキやパーキン(黒糖とスパイスを利かせたどっしりケーキ)
(右)アンベールの町の庁舎、チーズ博物館のすぐ近くのマルシェには、フランス中部で広まったパンデエピス(直訳するとスパイスケーキ)がチーズの横にズラリ・・・ヨークシャーの名物ケーキとパンドエピス・・・そっくりなんですよ。形だけでなく、スパイス効いているところも!大きな違いは・・・黒糖か?蜂蜜か?ってことくらい?

最後に・・・フルム・ダンベールの兄弟チーズとも言われる、フルム・ド・モンブリゾン。ほぼ同じ地域で生産されており、やはり青カビタイプ。形は同じでも、味わい、食感はかなり違います。フルム・ド・モンブリゾンは・・・イギリスが誇る青カビチーズ、「ブルースティルトン」と似ているのです!!きっとここにも何かしら英仏の交流があったはず?こんな感じで、歴史に沿ってチーズや食文化の伝播を探ってみると、色々と楽しいこと、面白いこと、見えてきます。日本で2021年10月に刊行のイギリスチーズに特化した書籍、「とっておきのイギリスチーズ」は、イギリスの歴史とチーズの発達を織っています。楽天さんでは予約スタートしています。こちら(https://books.rakuten.co.jp/rb/16901833/?l-id=search-c-item-text-01)、ポチっとやっていただけたらとても嬉しいです!最後までお読みいただき、ありがとうございました!