イギリス料理、イギリス食でおもてなし

食べて飲んで・・・のクリスマス、年末年始も終わり、ひと段落した頃。日本からチーズ関係のお客様。しかも、フランス経由でいらっしゃる。東京や大阪などの大手デパート催事等でヨーロッパチーズについて語り、販売していたあのお方(知る人ぞ知るお方!)QKさん。イギリスチーズも含め、上質ヨーロッパチーズやヨーロッパ食のことはよくご存知!!そして密かに独自の「イギリス愛」をお持ちの女性。アランセーターとビンテージのバブアジャケットという装いでいらっしゃるという、イギリス愛、筋金入りです。そんな方のおもてなしとなれば、やはり徹底的にイギリス料理、イギリス産のモノでしょう。しかも、日本ではなかなか食べられないもの・・・「イギリス料理」について考える良いきっかけでした(笑)。

ホリデー中は、朝イチでギネス1パイントいけちゃうくらいに、ビール(特にギネス)がお好きなQKさん。であれば、まずは、ビールでしょ。イギリスの地ビールはビール好きにはたまらないらしい。むしろ、選択肢がありすぎる・・・これらは、イギリス人夫によるセレクト。

一緒にチーズ販売のお仕事をしたこともあるので、QKさんのチーズの趣向は把握済み。一緒にいただくことになるであろうチーズを予測し、それに合わせ、アニス風味を効かせた、ギネスパン。ギネスがお好きな方ですしね!

QKさんがフランスから持ち込んでくれたチーズと、イギリスチーズでとりあえず、チーズボード。夕食の準備をしながら、イギリス流チーズの食べ方で!
ここで、イングリッシュスパークリングも開栓。おしゃべりに忙しすぎて、写真撮り忘れ・・・バークシャー産、ALL ANGELS クラシック・キュヴェ。なかなか上質で、イギリス流おもてなしにオススメの一本です!さすがイギリス産スパークリング!!(詳細はこちら

一緒にいただく予定だったフランス産ウォッシュチーズに合わせ、イギリス料理の基本中の基本、リークとポテトのスープ。シンプルなようで奥深いイギリス伝統料理!ウォッシュチーズが予想より遥かに穏やかだったために、このスープがチーズを凌駕してしまいました。しかし!!!クラシックなウェンズリーデイルの復刻版である、「Old Roan」というチーズととても相性が良く・・・これは嬉しい新たな発見!結局、”What grows together goes together ” – 同郷のものは相性が良い。というオチなのです。折しも・・・日中でも氷点下だった、今年一番の冷え込みウィーク。体は温まりますよね。

ウェンズリーデイルにスポットライトが当たれば、やはり、フルーツケーキ!イギリスクランブリー系チーズとフルーツケーキは鉄板!まだクリスマス時のフルーツケーキが残っており、ラッキー。残り物でごめんねQKさん。これは義理母のフルーツケーキ。イギリス北部には、家庭の数だけフルーツケーキの種類があると言われるほど、イギリスのフルーツケーキもなかなか奥深い。クリスマス期、イタリアはパンフォルテやパネトーネ。ドイツはシュトーレン。イギリスはこのフルーツケーキなのです。←そんなこと日本ではほとんど知られていないですよね.

シュトーレンに負けないくらい美味しいのになぁ・・・

余談ですが、イギリス人でもある我が子たちはちょっとひいてました・・・日本からわざわざ遊びに来てくださっているゲストに、シェパーズパイなんて!!イギリスで育った彼女らにしてみれば、学校給食やいたるところで散々食べさせられているお料理。日本人がわざわざ外国から遊びに来たお客様に「肉じゃが」か「豚汁」をお出しするような感覚なのでしょうね。「ローストディナー」というものが頭をよぎりましたが、これはイギリスでは日曜日にいただくもの。週半ばでローストしたら、ウソになる!そして、やっぱりたっぷりチーズを使うイギリス料理を食べていただきたいという思いと、日本ではまだまだ、「ラム肉」は少ないという理由で「シェパーズパイ」に落ち着きました。

やっぱり、最後はコレ!!ウィスキーを愛し、イギリスチーズの美味しさを体得しているQKさんなら、尚更です!上質チェダーの素晴らしさがさらに伝わるものです。お出ししたチェダーは、最近、イギリスで高く評価されはじめた Pitchfork Cheddar (拙著ご参照くださいね!)。2023年1月現在、日本未入荷です。

冬のイギリス伝統お菓子である、ミンスパイやミンスミートのお話にもなったので、ミンスミートを使ったベイクドアップルで朝ご飯!11月後半からクリスマスまで、ミンスパイを食べ続けるイギリス在住者はクリスマス直後はさすがにミンスパイの気分にはなれないものです(手作りミンスパイはこんな感じ(こちら))。手作りミンスパイは、市販のものよりとっても軽めではあるのですが・・・ミンスミート、とても気に入っていただけたようで、お土産にお持ち帰りいただきました!これも、なかなか日本では食すことができない伝統イギリス食。ミンスパイの美味しさは、バターの質が何よりも大切。ミンスミートのベイクドアップルは林檎の質が大切。バター、リンゴはイギリスの得意とする分野。お気に召していただき、嬉しかったです。しっかりと探求すればイギリスにも美味しいもの沢山なのですよ!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。なお、本記事に掲載している画像のほとんどは、QKさんからご提供いただきました。QKさん、ありがとう!!