チーズの旬とテロワール

4月上旬にフランスのプロバンス地方でいただいた、Brousse du Rove AOP(ブルス・ド・ローヴ)。詳細はこちら。プロバンス地方に生息しているRove山羊のミルクから作られ、酸の力(酢)で凝乳させただけの究極のフレッシュチーズ。乳の質がダイレクトにチーズの味わいとなります。山羊の品種も特定されており、生産後7日以内に食すのがほぼ鉄則!というわけで、製法はシンプルですが、プロバンス地方でしか味わうことができないとてもユニークなチーズ。ふわふわとした食感とナチュラルな甘さに感動!これからプロヴァンスへ行く機会がある人はぜひ、ぜひ食べていただきたいのです!

5月中旬あたりに市場に出ているイギリスチーズのHarbourne Blue。作り手さんが公開している情報では、フランスのロックフォールを山羊の乳で再現したもの。とはいえ、原料乳種が異なるので、もちろんロックフォールとは全く違う味わい。5月のHarbourn Blueは、とってもクリーンでフレッシュながらに、華やかで甘さを伴う発酵フレーバーはしっかり。旨みより、酸味が心地良く、ホロホロとしたボディ。イギリスチーズらしさが前面に出ています。5月のテイスティング会でも登場してもらいましたが、大好評。他に似たような味わいのチーズを思いつけない、唯一無二な味わい。チーズという食べ物に対する先入観を覆す味わいです!ただ、山羊乳なので取り扱いが雑だったり、保存環境が悪かったりするとエグ味は出やすく、過去にちょっと可哀想な状態のHarbourne Blue にも遭遇したこともあります。在英の方、チーズ専門店で購入する機会があれば必ず試食を!結構、高価なチーズですし・・・これからの季節、サラダのトッピングや爽やかな甘口ワインと合わせてぜひ!ミネラル感のある大吟醸酒(冷酒)もなかなか乙なものです。

Brousse du Rove と Harbourne Blue それぞれ、プロバンス、イギリスチーズ特有の味わい。チーズにもあるテロワール(土地特有の味わいと土地のアイデンティティ)。チーズのロマンチックな一面ですね。Culture & Culture の単発テイスティング会では、こういったチーズをご紹介しつつ、上質なチーズの楽しみ方、美しさ、そしてチーズのストーリーをお伝えしています。
6月16日(金)はオンラインテイスティング会(夜7時〜)。試食チーズはチーズ専門店のPaxton & Whitfiled さんより直接、ご指定のご住所へ配送されます。現在、参加者募集中です!詳細、参加お申し込みはこちらより。
https://cultureandculture.com/fridaynighttastingnight/