イギリスパンと食パン

イギリスパンは日本生まれ?

イギリス人との結婚がきっかけで、日常的にパンを作るようになり、イギリス生活そのものは留学年数を含めると、累計20年超え。パン作りがまだ趣味だった頃はずっと、「イギリスパンって何?」とぼんやりと疑問を抱いていました。日本で「イギリスパン」と呼ばれる食べ物、イギリスでは見かけません。つまり、「イギリスパン」は日本生まれなのかな?とうっすら感じていました。

調べてみると、どうやら、「イギリスパン」とは、イギリスを代表するパンである White Tin Loaf (ドライイーストで小麦粉を発酵させ、蓋ののない型に入れて焼成するパン)をベースに、「イギリススタイルのパン」として日本で進化したものらしいのです。

イギリスではパンは主食、チーズも主食 (staple food)。凡庸性の高いチェダーがブロック型であるのと同様に、イギリスではパンもいつしか角型になったのでしょう。角型はオーブン内でのスペース効率性が非常に高く、また、角型であればサンドイッチにもしやすい。何といってもイギリスはサンドイッチのお国!角型は合理性に富むのです。日常的にパンを作るようになると、型に入れて焼成するパンの方が遥かに作りやすいということも分かります。つまり、本来の意味での「イギリスパン」とは、型に入れて焼成するパンのことなのです。イギリスで多いパンのスタイルですよね。

そして、イギリスと日本、食文化の中でのパンの立ち位置は全く違います。日本は米食国。つまり、あくまでお米が主食。日本では、パンは食糧としての主食ではなく、あくまで嗜好が重視されるおやつのような存在。だから、いわゆる日本のパンは、必然的にフワフワ、しっとり、ほんのり甘く、シルキーな口当たり。日本には「菓子パン」というパンのカテゴリーさえ存在します。型に入れて焼成するパンの製法が日本に取り入れられた際に、「イギリススタイルのパン」と理解され、それがいつしか、「イギリスパン」と呼ばれれるようになったのでしょう(この点は、憶測の域を出ませんが・・・)イギリスのTin Loaf はちょっとどっしりめで、トーストにするとザクザク感があり、噛み締めるほどに小麦の味わい。歯応えも食べ応えもしっかりとある食事パンであり、サンドイッチ用のパン。イギリスでパン作りを始めるなら、やはり、スタートは White Tin Loaf で! かつて日本で一世を風靡した、「イギリスパン」の原型であり、とても作りやすく、かつ、凡庸性も高い!何といっても、手作りは美味しい!色々と、独自のアレンジバージョンを作りやすいのも Tin Loaf の魅力。作り慣れたら、きっとイギリスで、「パン粉」を探すこともなくなりますよ。

クラムがちょっと粗めな分、トーストした際のザクザク感が嬉しい。バターの風味もグンと増します。

Previous
Previous

イースターとチーズ

Next
Next

世界のチーズ