世界のチーズ
チーズは文化
チーズは文化。お国変われば、チーズの立ち位置も違うものです。一言でチーズといっても、スタイルや種類が多数(ほぼ無限に!)あるだけでなく、文化によって食され方も違い、そこに各国の国民性さえも垣間見えます。チーズ文化は本当に奥深い!
ポルトガルの首都リスボン。イギリスにアフタヌーンティー文化をもたらし、マーマレードの原型といわれる、マルメラーダ(イギリスではクインス ー マルメロを煮詰めてジャム様の保存食にしたもの)を作り出し、カステラや天麩羅の概念の発祥地でもある国。スティルトンチーズのパートナーとして定着しているポート酒やマディラワインをイギリスへもたらしてくれたのもポルトガル。ヨーロッパ食文化に興味がある人には実に刺激が多すぎるお国です。食材(特に海の幸!)が豊富なお国柄であるせいか、食事全般、食材が持つ本来の力を存分に引き出すようなものが多いようです。
ポルトガルチーズといえば、羊乳ベース、割と小振りなチーズ。地元の人たちに愛されるカジュアルなレストラン(食堂という言葉の方が相応しいかも・・・?)等では、席に着いたらまず、お通し(突き出し?)で羊乳のとろりとしたチーズがホールで有無を言わさず出てくることがあります。なんの加工もしてありません。ちょっとカットしてある程度。だからこそ、チーズ本来の味と独特の口当たりを楽しむことができます。ランチ時でも、グラスワインは少なく、カラフェかボトル。ホール出しされたチーズたち、ポルトガル産のフレッシュな白ワイン(いわゆる緑のワイン – 「ヴィーニョ・ヴェルデ」)と素晴らしく相性が良いからサクサク進みます。
ちょっとフォーマルなレストランでは、スターターメニューの中にもチーズがチラホラ。オーダーしてみると、やっぱりそのままホール出し!ちょっと手を加えたチーズ料理でシンプルに美味しい!と思ったのは羊乳セミハードグリルの蜂蜜、胡桃がけ。この辺りで生産されるチーズは、独特の凝乳酵素を使って生産されるため、食感(ボディテクスチャ)に他のヨーロッパ諸国のチーズとは異なる特徴があります。この一品。なるほど・・・特有のボディ感を魅力的に引き出しています。弾力があるけれど、トロトロ。伸びも良く、それなりにかみ応えあり。蜂蜜とチーズが自然と綺麗に融合。甘味と塩味と旨味の絶妙なハーモニー。ケーキでも、タルトでも、アイスクリームでもない、甘さ控えめナチュラルなデザートなのです。
羊乳セミハードグリルの蜂蜜、胡桃がけ
もっちりトロッとした口当たり。甘味と塩味と旨みの絶妙なハーモニー!