食文化(イギリス料理)とは

夫婦揃って、人生でお世話になっている方々をお招きしてのイースターランチのホスト。総勢10人(私以外全員イギリス人)

イースター伝統のホットクロスバン を焼き、イギリスチーズボードを準備し、2.5kg のラムレッグをロースト。ローストポテト、野菜のローストに付け添えのサラダ、そしてイギリス人にとってはとても大切なヨークシャープディングを10人分焼き、グレイビーソースを作る。さすがに写真を撮る余裕なぞなかった。タイミングが全ての純粋にイギリス料理でおもてなし。夫や子どもたち、そしてゲストの手を借りた場面もあったが、これを成し遂げることができた自分の成長を実感でき心が満たされたイースター。

Hotcross Buns

奇跡的な晴天も手伝い、皆が幸せな時間を共有。ゲストにも心から喜んでもらえ、感謝され、妙な人生の達成感。
よくよく考えてみれば、日本人と結婚した西洋人が、日本でお正月お料理を準備するのと同等なこと。私は個人的にそれを成し遂げている人を知らない。だが、イギリスで、私の周りには、クリスマスホストを毎年やっている日本生まれの日本育ちの方々がたくさんいる。私の地元の日本人友人のほとんどがそうである。こんなすごいことを成し遂げているのに、やっても当然の扱い。そう、なぜか、当たり前のことなのである。特に認められたり、社会的に評価されることはない。せめて、自分で認め、自尊心を持つことくらいはやっても良いのではないかと思う。

私は常々、料理、食習慣は言語と同じだと思っている。習得するには、時間がかかるし、それなりの環境も必要。海外生活のスタートは、まずは、見たことも聞いたこともない食材の解明からはじまる。パスニプスを「白い人参!!」と思い、芽キャベツの袋詰めを、キャベツの赤ちゃんの袋詰め!!と本気で思った頃が懐かしい。

英語という言語は、学校教育の中で多少学ぶが、英国料理を学ぶ機会などなく、オーブンすらない環境で育った人間が、いつの間にか、イギリスのローストディナーをマスターし、ホストとなり、料理してイギリス人をもてなす。これも、人生のキャリアなのだ。

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世界のチーズ(南フランス)