ナショナルロックダウンから一年

まず、とにかく、全てのことがデジタルオンライン化。チーズ講座も当然オンライン化。当初は、受講生の皆さんと画面越しにしかお会いできないことに寂しさやフラストレーションも感じていましたが、ロックダウンも長引くにつれ、気づいたのは・・・ここ最近は、画面越しであっても、皆さんの笑顔、笑いがとにかく増えたこと。人類がこのバーチャルな世界に慣れてきた証なのかもしれません。画面越しにチーズやイギリス食文化について永遠におしゃべり。今では毎回時間オーバー。画面越しであっても、人の笑顔に偽りはなく、人の心を満たしてくれるのです。

Culture & Culture のイベント、講座がこの一年でどのように変化(進化??)したのか、詳細は、過去のポスト(→)こちらより。一年前の今頃は、IT関連で格闘しながら、気分萎えること、自宅で叫ぶ(←今だから言える・・・)ことも多々でしたが、それも懐かしい思い出となりました。以下は、海外生活、さらにはイギリス田舎暮らしを送る日本人の食の面でのロックダウンサバイバルの記録・・・


ナショナルロックダウンからちょうど1年の2021年3月23日、記念ランチのメニューは、左上から・・・
– 梅干しならぬ、あんず干し
– べったら漬け
– 金山寺みそ
– 鯵のみりん干し
– お味噌汁

これ、実は、この一年を振り返るためのメニューなのです・・・
本当に素朴な日本のいわば粗食ですが、海外で暮らす日本人にはこれがご馳走にもなりえるのです。首都ロンドンで暮らしていれば、パンデミックのお陰で、今や星付き日本食シェフのお料理も自宅へデリバリーされるようですが、イギリス田舎暮らしだとそれもままならず(涙)・・・

  • 梅干し風あんず干し(自家栽培の紫蘇とあんずで作りました)
    とっても美味!やってよかった!そしてロックダウンがなければ、絶対にできなかった
    まだまだ続くロックダウン、お家生活。今年もチャレンジします。
  • べったら漬け(自家醸造の本みりんと地元マーケットで購入できる立派なイタリア産大根)
    とっても美味!もはや、日々のお茶請け、おやつになっています。パンデミックがあったからこそ、地元のマーケットに通うようになりました。冬はマーケットでとっても立派な大根を毎週買うことができることを知りました。そして、ロックダウンがなければきっとやらなかったみりんの自家醸造であり、ロックダウンがなければ知り得ることもなかった、本みりんの美味しさ!
  • 金山寺味噌(自家栽培の大葉とイギリス産の麹、夏野菜で作るなめ味噌の一種)
    これまた、ロックダウンがあったからこそ我が家の常備菜となりました。コロナパンデミックのお陰で(?)イギリスで麹屋さんが増え、麹を入手しやすくなったのは何とも皮肉なものです。まさに本能的サバイバルの知恵!イギリス産夏野菜は質が高く、本当に美味しい!日本の食文化とイギリスの食の融合を象徴するかのような金山寺味噌。クリームチーズと合わせるとこれまた素晴らしい美味しさ!
  • 鯵のみりん干し(同じく自家醸造みりんを活用。EU離脱に伴う、イギリスのお魚問題は言わずもがな・・・。一般消費者に吉と出るか凶と出るか??まだ見えていません・・・)
    EU離脱による、お魚の問題は、あまりにスケールが大き過ぎて??????なのです。梅干しもやってみたし、お漬物もいろいろやってみたし、みりんさえも自家醸造するようになったし・・・ということで、お魚の干物もやってみました。我ながらまさかの展開でしたが・・・やはり、動物性のものの保存食は、ちょっと勝手が違いますね。正直、イマイチでした。思い立って、冬の終わりにやってみたのがよくなかったのかもしれません。明らかに日光が足りていない??こちら、ロックダウン2年目へ持ち越し課題となりました・・・青魚の本格的な旬の夏への持ち越し課題となりました
  • お味噌汁(もちろん手前味噌で・・・)
    麹が身近にあるということは、お味噌もいつでもあるということ。これは言いようのない安心感をもたらしてくれます。日本人の血肉であるお味噌汁ですね。これまで、手前味噌はずっと日本産大豆で作っていましたが、2020年、初めて麹菌以外は全て日本国外産のものでお味噌を作ってみました。ロックダウン仕込みのお味噌を開く頃、世界が少しは落ち着いていますように・・・
  • 〆のデザートは和菓子(日本恋しさのあまり、和菓子を日常的に作るようにもなりました)
    日本にいれば、お寿司も和菓子もご近所で買うもの。「餅は餅屋」なのですが、海外暮らし、特に海外田舎暮らしだと、そうもいかず、食べたければ作るしかないのです。お寿司も和菓子もイギリスで手に入る材料で意外と簡単に作れてしまうものなのですよ!

在英日本人の定番、大福、そして簡単大福レシピはこちらより。
最近、熊本出身ということで、いきなり団子芸人ともなっておりますが、いきなり団子の作り方は、こちら。とってもヘルシーなおやつなので、ぜひお試しくださいね。
というわけで、ロックダウン、コロナパンデミックのお陰で随分と生きる力を身につけた気がします。今、また、春になり、当然のように紫蘇や三つ葉の苗を作り、みりんを作っています。まだまだ続く、不自由な生活。2年目はもう少し、チーズはもちろんのこと、EU離脱元年でもあるのでイギリスの食文化をもう少し、深く探っていく予定です!お楽しみに!最近のオンラインチーズ講座では、チーズにまつわる色々な食文化のお話もしており、だからこそ時間がいくらあっても足りないのかも・・・時間管理も今後のテーマですね。
なお、今後のCulture & Culture の予定ですが、現在、通訳、翻訳 のお仕事が立て込んでいることにより、4月中はイベント、講座はお休みいたします。5月中旬に、Academy of Cheese Level 1 を開講いたします。仮ご予約、受け付けております。詳細、お問い合わせはこちらより。なお、お問い合わせをいただいております、Level 2につきましては、今年の秋より開講予定です。