美食の街リヨンに見るフランスチーズ

世界遺産に登録されているリヨンの旧市街(歴史地区)。かつては絹織物業が盛んだったとか・・・旧市街を歩いていると、ヨーロッパの歴史を肌で感じ、心は中世へ飛んでしまいそうです。高台からの街全体の眺めに心奪われます。

 モダンなビルが立ち並ぶビジネス街の一角にある中央市場(Les Halles de Lyon Paul Bocuse) 、通称ポール・ボキューズ市場には、その名に相応しく、上質な食材を扱うフランスの食のブランドが集合しています。もちろん有名どころのフロマジュリ(チーズ専門店、またはチーズ熟成業社)も数店舗。

そして、自国のものを誇りに思うフランス人も、イギリスのスティルトン系だけには抗えないと、イギリスでも小耳に挟みますが、本当にあるのです!イギリスチーズ、スティルトンとシュロップシャーブルー!ポップにもしっかりブランド名込み(笑)さすが、イギリスチーズの王様!

もっと詳しく、チーズディスプレイの様子はこちらのリールへのリンクをクリック(↓)!
Fromageries Les Halles de Lyon Paul Bocuse

チーズ専門店には、フランス全国だけでなく、近隣諸国の上質なチーズが並べられ、チーズたちが芸術品のように大切に扱われているということがよくわかります。

ではでは、土着チーズがどのようなものか?地元の食文化に根ざした各地の伝統的なチーズとはどんなものなのかが良く分かるのはやはりマルシェ。

リヨンを代表するチーズはRigotte 系(小振りでシワシワの外皮)、どのお店もやはりそれ系が多い!同じように見えて、原料乳種違いだったり、熟成度合い違いだったり・・・そして、都会なせいか、フレッシュ系(まだ外皮もしっかりとしていない、ミルクが固まっただけのもの)もよく見かけます。熟成違いを食べ比べてみると、同じチーズとは思えない違いがあります。チーズの面白さですね。同じスタイルで、乳種違いがあるのはリヨン周辺の土地柄、風土を反映していることがよく分かります。リヨンのブラッセリーでのチーズメニューでの定番は、やはりサンマルスラン熟成違い・・・リヨンのチーズ、サンマルスランチーズについての詳細はこちらより(↓)
サンマルスランチーズとは

食事の後に、ブラッセリーでのサンマルスランの熟成違いを試してみたいと思うのですが・・・胃袋サイズが追いつかず(涙)・・・

さて、リヨンよりバスで東へ2時間。そこはアルプスの麓、サヴォア県のアヌシー。景観の美しさ、そしてマルシェに並ぶ、山のチーズたちの逞しさは圧巻。リヨンから割と近いにもかかわらず、気候条件、地理的環境が違うことで、こんなにも伝統的な土着チーズのスタイルが違います。一言で「チーズ」と言われる食品の奥深さ、面白さ、改めて実感します。試食させていただいたチーズはどれも本当に美味しいものでした。

酷暑の夏、気温35℃越え。地元のチーズ郷土料理の「タルティフレット」もぜひ、頂きたかったのですが、暑すぎて・・・そしてマルシェでチーズの試食をしすぎたせいか、頂くことできず。涼しい季節にまた出直そうと決心したのであります。2022年の夏は本当に暑かったですね。イヤイヤ、フランスのチーズパワーのすごいところは・・・伝統チーズベースにアイスクリームも作ってしまうところ。リヨン旧市街にあったアイスクリーム専門店。アイスクリームメニュー、100種類くらいフレーバーがありそうな勢い・・・その中に紛れて存在するチーズ味のアイスクリーム。フランス語が分からなくても、チーズ知識があると、嫌でも目についてしまうものです(笑)。これらがまた素晴らしく美味しいのです!

さて、9月に入り、すっかり秋の気温となったイギリス。チーズシーズンですね。チーズの世界、探求してみませんか? 最後までお読みくださり、ありがとうございました!
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