クリスマスには家族揃って、クリスマスローストディナー(ランチ)をいただき、その他は誰もお料理をしなくても済むように、いつもよりちょっと上質なチーズやハム系、そして様々な甘いお菓子をいただくというのが習慣。チーズたちは、ブルースティルトンとチェダーとソフト系のチーズというのが定番。ではイースターチーズとは??これは、正直、定番はありません!メジャーなチーズ専門店はどこもこぞって、「イースターセレクションボックス」なるものをプロモートしていますが、それぞれにチーズの種類も違うなら、売り文句さえも違います。家族が集まる時は大抵チーズボードを囲む機会も多いというのがイギリスの食習慣であり、イースターの場合は、お決まりのチーズは「特に無し!」なのです(笑)。
イギリスで暮らしていると、4月初旬の何よりのご馳走は・・・実はこの日差しかもですね!
とはいえ・・・どこのイースターセレクションボックスにも、共通項があります。みなさん、気付きますか??それは・・・春の訪れを祝う時期だからこそ、全体が軽やか。つまり、ライトボディで酸味が高いチーズたち。飲みたいワインもフルボディの赤から、ロゼや白に気分が向き始める頃でもあるため、そうなるのでしょう。しかし、要素はそれだけでないのです。チーズにも旬なるものがあります。春は、農家製の羊乳、山羊乳製ソフトチーズが美味しい季節。晩冬から春の初めに出産を終えた山羊や羊のお母さんたちが上質なミルクを出すシーズン。だから、どこのイースターチーズセレクションボックスも、ソフトな(←ソフトというのはポイント高し!!)農家製山羊乳、羊乳チーズが入っているわけです。家族で囲むメインのイースターローストは伝統的にラムのお肉が定番であるのもうなずけますね。さらに・・・イギリスのイースター伝統食といえば、ホットクロスバンズ(レーズンとスパイスが入った甘いフワフワとしたパン)とシムネルケーキ(つまりイギリスお得意のドライフルーツたっぷりのどっしりケーキにマジパンもどっさり)。これらと一緒に食べたくなるチーズは?と聞かれたら、やはり、ウェンズリーデイルなど酸味高く、軽やかでミネラル感のあるイギリス北部伝統チーズ!!生命誕生の象徴としての卵の形に模したイースターエッグ(卵型のチョコレート)がスーパーやデリにずらりと並びますが、これは、伝統食というより、日本で毎年、2月14日前にチョコレートが大量に市場に出るのと同じ原理でしょう。皆様、楽しいイースターをお過ごしください!ハッピーイースター!!
Culture & Culture のAcademy of Cheese Level 1 コースでは、皆様にこのような食文化のお話もしています。イギリスでの日常で、美味しいチーズ、自分好みのチーズ、用途に合わせたチーズをセレクトできるようになりたい!という方に最適のコースです。余談として・・・チーズ専門店もやはり、商売であることに変わりはありません。こちら(↓)のソフトな山羊乳チーズの写真を見た瞬間に皆様は何を感じますか(笑)?