コロナとクリスマスとニューライフ

  • 2月上旬 – 普通に講座やテイスティング会を開催していました。そして楽しく、アカデミーコースの打ち上げまで・・・
  • 2月の下旬 – 主宰させていただいた、コーポーレートイベントで初めてコロナウィルスが真剣な話題に。そのイベントを終えた瞬間、3月初旬 に予定していた 北イタリア出張をキャンセル(北イタリアで地域毎のロックダウンが始まっていました)
  • 同じく2月下旬、日本からの訪英されていたチーズ関係者の方々のために通訳業務をやっていた際、商談の席ではまだコロナウィルスのことは他人事のようでした。そこから僅か2週間強経った、3月13日(金)の首相会見以来、飲食業界はまるで雪崩に巻き込まれるかのようにガラガラと・・・そして翌週早々には、首相の”You should stay at home”会見。ロックダウン の始まりです。教育を含め、あらゆることがオンラインの世界へ・・・とにかくITリテラシーを上げることを強制された年でした。第一ロックダウン中は、おうち生活の中でのチーズの楽しみを見つけていただこうと、毎週、チーズレターの配信。多くの方々から、コメントもいただき、自分自身のエネルギー源にもなっていました。それでも、基本は喋るのが好きなタイプ・・・レター配信はどこか一方通行のような気がして物足りなさがあったのは、今だから言える事実。

そんなこんなで、Culture & Culture のイベント、講座もオンライン化・・・今年は随分とZoomに向かった気がします。夏に一瞬だけ世の中が元に戻りつつある気配を見せたものの、11月にはロックダウン 第2弾。せっかくの楽しいチーズシーズンにロックダウン (イギリスのチーズ界では、Cheesemas -クリスマスならぬチーズマスという造語も存在します)。これはもったいない!!ロックダウン でもチーズ専門店は営業中!!というわけで、ロックダウンスペシャル講座企画(この時点で毎年恒例のクリスマスチーズ会の開催は諦めました)。ロックダウン中の週末のお楽しみはもちろんですが、Zoomに向かう時間だけでなく、やはり、チーズがお好きな方であればこそ、この季節ならではのチーズ専門店でのショッピングの楽しさ、面白さもぜひ知って頂きたいという願いを込めて企画しました。毎年開催していたクリスマス会でも、その思いはずっとあったので。講座テーマは、イギリスの究極の伝統チーズ、ランカシャーチーズとスティッチェルトン。参加ご希望の方にはできるだけチーズショップに足を運んでいただくようなシステムにしてみました。結果的には、「チーズショップで楽しい時間を過ごすことができました。」「店員さんと色々とお話しするのが楽しかったです。」「頑張って、チーズショップ3軒回りました。」というような内容のメールを多数いただき、この新たなスペシャルイベントを企画して良かったなと心の底から思いました。ランカシャーチーズを選んだことで、いつものクリスマスチーズ会同様にフルーツケーキのお話もできたことですし(笑)。予想を上回る参加お申し込みを頂き、お申し込み受付を予定よりも早めに締め切らざる得ない状況となってしまいました。参加者の皆様とは少しでもきちんとそれぞれにコミュニケーションを取ることを最優先にしていること、ご理解いただければ幸いです。

皆さんがチーズ専門店で実際に指定チーズの購入を試み、送ってくださった写真を簡単なスライドショーにしました。スライドショーはこちら

講座では、イングランド北部へ行くと、とにかくフルーツケーキをたくさん見かけるというお話しをしました。実際、北部の人たちはフルーツケーキとチーズを一緒に食すのが習慣なのです。

ランカシャー、ヨークシャーでは、チーズがあるところには、必ずフルーツケーキ・・・といった感じです。

フルーツケーキに、ヨークシャーウェンズリーデールなのか、ランカシャーチーズなのか?
それは、薔薇戦争の現代版?現地に行くとなんとなく争っているような印象さえ受けます・・・

以下は、これまでクリスマスチーズ界の思い出まとめ。この写真をみると、その時々に参加してくださった皆様のお顔が思い出されます。皆さん、どうしていらっしゃるのだろうかと思います。Zoomのお陰で世界と繋がることができますが、やはり、一つの場所で、同じ香りをかぎ、味わい、一緒に笑い、徐々に美酒に酔いながら一年を振り返ることに勝るものはないなと思います。2021年はまたこのような会が一度だけでもできると良いなと願わずにはいられないのです。

2016年のクリスマスチーズ会。
スティルトンのメーカー違い食べ比べをやりました。皆さまの好みは5分5分なのが印象的でした。
この年は、フルーツケーキとウェンズリーデール。
この時はとにかく、トゥニーポートが人気でした。

2017年のクリスマスチーズ会。
皆さん各自で色々と食べ合わせを考えながらのチーズプレート作り。
塩キャラメルチョコレートとイギリスハードチーズの
マリアージュが好評でした

2018年のクリスマス会。
スパークリング日本酒(澪ドライ)とイギリスのフレッシュ山羊乳チーズのペアリングが大人気!
そして、ロンドンで、イタリア産のワカメチーズの存在を知った年でした。このワカメチーズの発想元は、イタリアで修行をしていた、日本人シェフ。そしてなんとまぁ、その日本人シェフの方、その昔、個人的によく通い、お世話になったレストランのオーナーさんであるということが分かり、世界は広いようで狭い!!と思ったものです。色々と思い出のある豪徳寺のレストラン・・・
世田谷豪徳寺、三輪亭というレストランにこのワカメチーズがありますよ!三輪亭はこちら


昨年2019年。なんと日本酒の差し入れが3本もあり、まさに、日本酒とチーズ。そしてイギリスワインとイギリスチーズのペアリング。さらには和食材とチーズなどを楽しむ会でした。その年に気になったチーズを並べるクリスマスチーズ会ですが、羊乳、山羊乳チーズの割合が上がってきているのを感じるような・・・

2020年の第一週末は、某企業様のバーチャルクリスマスパーティーをジョイントホストさせていただきました。テーマはイギリスチーズと日本酒テイスティング。スクリーン越しに、チーズと日本酒のペアリングの楽しさ、美味しさを堪能し、共有する会。参加者もイギリス各地から・・・一年前は想像もできなかったような新しいスタイルのクリスマスチーズ会ですが、Zoom飲み会はすでに普通になった2020年。たった一年で、世界はこんなに変わってしまうものなんですね。当然だったものが当然でなくなり、でも世界はそれなりに順応していく・・・改めてチーズと日本酒の相性の良さに開眼し、会が終わった後も、ずっと飲み続け食べ続けてしまうという恐ろしい状態に陥ってしまいました。でも、やっぱり・・・お酒は酌み交わしてこそ、本当の美味しさがあるのかも?とも実感し、それはコロナでも変えることのできない大和魂なのかもしれません。

さて、この季節、イギリスで変わらないものの一つ。フルーツケーキ。プライベートレシピを公開。実は各家庭でレシピがあります。義母からケーキ型ごと譲り受けました。ウェディングケーキの型としても使われたもの・・・それを数年かけて少しずつアレンジし、自分の好みの塩梅を探っていきました。スパイスの効いたフルーツケーキとイギリスハードチーズ。週末のランチ代わりにもなりますよ!

大きさは、21cm x 21cm x 8cm ほどです。このフルーツケーキ・・・実は・・・濃厚でクリーミーな口当たりの大吟醸酒ともなかなか相性良かったりします!「酒は料理を選ばない」言い得て妙なのです。まさに、Culture & Culture !

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